もし世界で自分だけの法律があったら
第15章 立ち上がれ!おれ
夜の体育館で必死に一人でドリブルをつき、そしてシュートをし、跳ね返ったボールを追いかける。
川原の目は真剣だった。
そして、川原はおれの存在に気づく。
「中仕!」
走っておれのもとに駆け寄ってくる。
「入部。してくれるの?」
「あ、いや、違う」
「じゃあ見学?」
「あ、いや…」
否定しようと思ったが、これだけ一生懸命やってるのに、見学でもないというのはかわいそうだった。
「そうだ。見学にきた」
「ホント!?ありがと。んじゃ、さっそく一緒にバスケしよう!」
川原は笑顔だ。