もし世界で自分だけの法律があったら
第17章 最後くらい
「そんなことなんかじゃない。こいつにとってはおまえらとバスケの練習するの、すげー楽しかったんだぞ……みんなで、、、みんなでゴールを狙って一つになる……。」
川原にとってはみんなとバスケするのは、「そんなこと」で表せるほど、小さくない。
「こいつは夜たった一人で練習してきたんだ。なんのためかわかるか?この試合に勝つためだよ。バスケ部を残すだめだよ。……おまえたちと、一緒にバスケするためだよ。ずっとひとりで…。
おまえら、一人で練習したことがあるのか?」
シュートを打ってもボールをとる人がいない。
ドリブルしていても前に敵がいない。
フリースロー対決さえできない。
体育館に響くのはただ、自分一人がボールをつく音だけ。
そんな中で練習してきたんだぞ…。
「だから、、、最後くらい。この最後の試合くらい……。」
(コイツのためにみんなで、バスケしようぜ)
この言葉はおれの心の叫びだった。
言う必要がなかった。
なぜなら、もう三人は決心したから。
下を向いて、拳を握る。
そして、ついに、3人の顔が変わった。
さあ。
いざ、逆襲の時。
つづく