もし世界で自分だけの法律があったら
第4章 法律は時として、人を締め付ける。いや、縛り付ける
おれを殴り飛ばしたやつは男で、30代中盤の男だった。
「ただおまえが邪魔だっただけだ。それ以外の理由もねーし、必要性もねーよ」
「んだとテメェ!」
「……それより、消えてくれねーか?仕事の邪魔だ」
「おまえ!人が死のうとしてるのに突っ立ってるだけじゃねえか!」
「それが仕事なんだ」
「何言ってんだよ!」
「だあかあらあ~!それが仕事って言ってるだろ!!」
男はキレた。
「んな仕事があってたまるか!!」
おれもキレた。
「ったく、大人いうことを信じろ!」
「いきなり殴って来るような大人なんて、おれは認める気はないけどな!」
「あ、あの~。その辺でやめにしない?」