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もし世界で自分だけの法律があったら

第1章 負のピタゴラスイッチ





と、いうように今日はこの朝の時点でもうこんなに不幸なことが起きました。




「ハァ…おれって、ついてねぇ…」




歩きながら、そう呟くわたくし中仕中男。





しかし、この世界が中仕中男に用意していた、負のピタゴラスイッチはこれだけではありませんでした。





遅刻を覚悟し、わたくし中仕中男はゆっくりと通学路をあるいていました。




不意に自分の足元に目を向けると、わたくしは騒然としました。






なんと、着物を着た少女がわたくしの足しにしがみついているのです。





おもわずわたくしは声を上げました。




「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」



すると、少女は顔を上げました。




そして遺言のようにこう言いました。





「かわいいかわいい少女がアナタのようなドブ男にしがみついているのにその反応は失礼で…す」




そう言って、少女は気を失った。


「ハァ…おれってついてない…」








改めて実感した高2の夏休みの出来事だ。





つづく

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