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もし世界で自分だけの法律があったら

第12章 理由の必要性



「おっと、話が長くなっちまったな。」



話を終えたおっさんは言った。





「おっさん……」




それがおっさんの話の余韻に浸っているおれからでた最初の言葉だった。





「小僧。おれが言いたかったことわかるか?」




「………」





「おまえはおれになんで薫を育てようかと思ったのかってことを聞いたよな?」




「うん」





「正直、理由なんてねー
よ。

おれがアイツを守りてえ
って思った瞬間、理由な
んてもんの必要性はとっ
くに消えてんだよ」


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