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当時は、僕とお母さん含む富崎邸内では騒ぎになった。

だけど、僕とお母さんと爺やはロークにはロークなりに、何か事情があって出て行ったんだろうと解釈して、他の使用人の皆を落ち着かせて受け入れた。

お母さんに、ロークの後任を選ぶように言われて、僕は皇人を選んだ。

僕に指名されて、皇人は驚きつつも嬉しそうに引き受けてくれて以来。

ずっと僕の専属執事及び、今までのロークがこなしてきた業務に勤しんでいる。

「シェフ長の朔夜さんも、富崎家のシェフ長として慣れてきて良かったよ」

「本当ですね」

ロークが富崎邸を出て行った翌週に、前シェフ長の朝陽さんも富崎邸を出て行った。

朝陽さんの場合、前々から考えていたらしくてお母さんと零生と爺やには、事前に話していたらしい。

朝陽さんには、将来的に自分の店を持つのが夢って事は、僕も以前に聞いた事がある。

梅田に喫茶店を構える為、資金稼ぎ目的で富崎邸にやって来た事も。