
俺のテンちゃん
第2章 20日再び
「アタル起きて!」
ガバッ!
俺はタオルケットを手で跳ね退けて、テンちゃんを見た。
「うぉ!寝起き良いねぇ」
そう言いながら窓際に立ち、テンちゃんがカーテンに手を伸ばす。
ジャーッ!!
チリンチリリン…チリン…リン
ガラガラガラガラガラ…
「眩しぃ…」
寝起きの目に、突然明るくなった部屋…そして逆光。テンちゃんの姿が一向に確認出来ない。
「風鈴の紙、付けないなら何で掛けとくの?」
今日もテンちゃんは同じ質問を繰り返す。
「良いのぉお気に入りなんだから」
俺も同じ答えを繰り返す。
「ほら…もぉ!起きてアタル」
側まで来たテンちゃんの髪は短い!やったーテンちゃん!
「テンちゃん!会いたかったよぉ!」
俺は、いつもの様にベットにテンちゃんを引き入れて覆いかぶさった。
「テンちゃん俺、変な夢見た」
「どんなの?」
「テンちゃんが、ロン毛でボインちゃんなの!んでもってテンちゃんに付いてるぅ俺の可愛いぃ…この…」
ツルン
「オチンチンが無い……なんで?」
「寝ぼけた事言って無いで、もぉ化粧終わってるからキスしちゃダメだよ」
「はぁ~…」
今度の見た目は抜群にテンちゃんに似てるけど…。
俺の好きな唇の下の色っぽいホクロも、ちゃんと付いてるけど…。
付いてるべきモノが付いて無い…。
「早く支度して!お互いせっかく有給取って海行くのにぃ」
そう…今日はテンちゃんと海に行く日─────
ってオイッ!
昨日テンちゃんモドキと行ったわっ!!
「テンちゃん今日は何日!?」
「え?20日だよ」
どうやら昨日をもう一度繰り返すらしい。
そして、どうやら…この娘は、テンちゃんモドキ2号らしい…。
