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ココロノソラ

第1章 あまい .

N side





15時30分



終わりのチャイムが鳴る




「せーんせっ」



多くの人は好まない絵の具のきつい匂いが漂う1室。


通うことで俺の鼻は慣れた。



「あれ...新作?」



「うるせぇ...生徒は立ち入り禁止だ。
とっとと帰れ」



「何を今更。
帰りませーん」



「......ちっ」


怪訝そうな顔でこちらを見つめる。




「あ、舌打ちって
酷いなぁ~...」




「放課後に会いにこなくていいって言ってるの。何のための合鍵だよ、」



「智さんが帰ってくるまで...待てない...」



「そんな目で見つめても何もしてあげねぇぞ。」



「...分かったよ。家で大人しくまってます…」



ドアに触れると視界が暗くなった。


そして智さんの匂い...



「何だよカズ、お前のキス待ってたのに。」




あと1cmで唇が触れる距離。



あぁ、もどかしい。





「っ...もうどっちなんですか...」




キスはとても甘い味がした。





fin .

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