ココロノソラ
第37章 Black 上司 2.5
「じゃあ、また。今度は日本で会いましょうね?」
別れの時間は直ぐにやってきた。
「ああ。そうだな。」
「 また会える日を楽しみにしてます。大野さん。
いえ、智。」
「今度は俺が会いに行く番だ。待ってろ潤。
浮気するなよ?」
「しませんよ浮気なんか。これがあるんだから見張りがついてるようなもんですよ。」
右手の薬指にはペアリング。
昨日一緒に買いにいったものだ。
「もう行きますね。では。」
笑顔で冷静に去っていった潤の後ろ姿を見えなくなるまで見ていた。
途中手を顔に近づけていた動き。
俺の為に泣いてくれたのかな。
聞いてもどうせ 泣いてないですよ って言いそうだけど(笑)
仕事に戻らなければならない。
明日からまた平凡な日々が始まる。
いや、このリングがあるから違うかもしれない。
「愛してるよ。潤。」
そう呟いて空港を後にした。
fin.