ココロノソラ
第19章 満たされない。
S side
「なぁ、潤。久しぶりに飯行かね?」
「ごめん、彼女が待ってるからパス。」
面白くない。
またそうやって彼女を理由にして俺との
飯を断る。
何だよ。
俺と別れた後、しれっと彼女作って。
っていうのに彼女の名前
” 翔子” って。
未練タラタラじゃねぇか。
「そっか、じゃあ待たね。」
「うん、また。」
短い会話で終わらして俺はさっさと家に帰る。
さぁ、今日もヤケ酒だ。
「よっ、翔ちゃん。今日も付き合うよ。
ヤ · ケ· 酒 。」
「智くん。ふふっ、お見通しですか。」
「当たり前。ずーっと一緒にいるんだから。」
こうやってわがままな俺に付き合ってくれる
智くん。
でもごめんね。完全には潤の代わりには
なれないよ。
そう完全にはね。
そんな智くんが唯一俺を満たしてくれる
こと。
「んんっ、はぁん...あんッ...」
今日も俺の恋人は
智くんの カラダ 。
なぁ、早くそんな女に愛想つかせて
俺のとこに戻ってこいよ。潤...。
fin .