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お前は誰だ

第1章 悩み

「お母さんじゃあ行ってくるね」

「戸締りお願いね」

 美沙子の仕事はコピーライターで、会社から家庭内事情の為、家での仕事を許可されている、5年前までは普通に出勤していたのだが、母が来てからは家から出る事が困難になっていた。

 だが、美沙子には救いがあった、会社の後輩である吉川葉月が毎週一度家に来ることだった。

 美沙子はこの機会を利用し書類の提出やその他家事の手伝いをしてもらっているのだ、正直葉月が来ないと、買い物にも行けないし、どうにもならなかったのだ。
 
 美沙子は葉月にはいつも無理しないよう言っていたが葉月がこの家の唯一の救いである事は間違い無かった。

 葉月が来ることが美沙子は楽しみだった。
 
 

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