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お前は誰だ

第1章 悩み

 毎週金曜日の夜に葉月は美沙子の住むマンションにくる、そして土曜日の夜に葉月は帰るのだ。

 そんな暮らしを5年間も続けていた。

 美沙子にとっては葉月の存在が無くてはならないものと分かっていたが、いつも心では申し訳なく感じていた。

 会社が葉月自信に頼んだ仕事では無い、葉月自ら進んでこの家に来ているのだ。

 美沙子と葉月は会社での先輩、後輩ただそれだけの関係でしかないはずなのに、どうして赤の他人がここまで自分の生活に協力してくれるのか…

 美沙子は葉月を家族だと思いたかった。

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