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貴方だけを愛してる

第10章 つなぐ手の行き先

子供っぽくなったニノはいつも俺の服を掴んで離さなかった

俺だけ仕事に行こうとすれば

N「嫌なのよ…まぁくん…かず…1人は嫌なよ…」

と泣き

ニノだけ仕事の日は

N「まぁくん…着いてきて…?かず…1人嫌…」

と不安げにお願いをしてきた

さすがにこの状況は俺たちだけではどうにも出来ず(ましてニノと関係を持った人間は仕事場にいるスタッフだ)事務所に話をする事になった



その話し合いの場には社長、チーフマネージャー、若先生そして弁護士さんが同席した

ニノはその場に同席させるのはまだ早いとお爺ちゃん先生と一緒に家に残った


若先生からニノの状態と症状、これからの医療的なケアの進め方が説明された

弁護士さんからはニノのように性犯罪に巻き込まれた被害者のその後のケアについて話があった

その話し合いで初めて知った事もあった

ニノがなぜジャニーズを当時辞めなかったのか
なぜ嵐として歩む事を選んだのかを社長が話してくれた

「あの時ね、辞めるという話ももちろんあったよ。特に親御さんからね。でも二宮は辞めたくないと訴えた。相葉と一緒に居たいと。嵐になる前辞めようとしていたけど…それは自分の過去が足を引っ張る可能性を感じて辞めたいと話してた。だから僕はこう伝えたよ。この事務所にいる限り君を、君の過去を守る。そして役の中でだけでも別の誰かになれるこの仕事は君にとっていい事じゃないか?とね」

たしかにあの事件は外に漏れずに隠されてた

同じメンバーの翔ちゃんと松潤でさえ知らなかった

それは社長とニノの約束だったのか…

そんな事も知らなかった…

「今の二宮にとって最善は何か考えよう。もちろんサポートも惜しまない。今の一番の問題は…二宮を一人にできないことと関係を持った人間がいる現場があるってことだね?」

A「はい…少なくとも4人はいます。どんな関係なのかはまだはっきりと聞けていませんが…」

S「その4人はこちらです」

翔ちゃんが抜かりなく作ったリストと逢引していたであろう日時をまとめた物を渡した

「…意外と困った人がリストアップされてるね…これはたしかなの?」

M「はい。全員で監視して作りました。どこで会ってるのかまでは特定しきれていませんが…」

「そうか…」

O「その2枚目の人が…問題なんだろ?」

おもむろにリーダーが口を挟んだ

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