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貴方だけを愛してる

第10章 つなぐ手の行き先

あの頃と同じように仮面をかぶって、何も知らないふりして嵐のメンバーに会う

俺の隣に座る

それは振り出しに戻った気持ちだった

本来なら男に誘われて、断るフリをしながら抱かれる

その時抵抗してあの時やりたかった事をやる

叫んで暴れて抵抗して…

そうして逃げ切って過去をやり直すはずだった


なのに現実はまたもや己の意思とは関係なく写真を撮られ、ビデオを回され知らない男たちに体を好き勝手に弄ばれる

あの時と同じ人形のような扱い

逃げることも叫ぶことも出来ないまま

また泣くことも出来ない人形に戻ってしまった

おかしい

どこで間違えたのだろう…

カウンセリングに来たニノは必死に若先生に訴えた

自分の計画は完璧だったはずなのにどうして上手くいかないのか

何が間違ったのか

どうしたらやり直せるのか

必死に訴えた

若先生は動揺してニノにその方法は間違ってる

最初から計画は破綻していると説明した

ニノはまったく聞き入れず泣き叫んで暴れた

こられる日はここに来て話をしよう

そう説得し帰した

でも来るたび話し合っても結果は同じでニノはどれだけの人と寝たかも分かっていなかった

そして俺が若先生の元を訪ねニノの変化を訴える

何かがおかしいと

カウンセラーとして患者と話した内容は決して明かすことはできない

でも本当に黙ったままで良いのか…若先生も迷っていた

ニノも俺も若先生も…関わる全ての人間が迷い躊躇いそして傷ついていった


でも俺はニノを救う事を諦めなかった

そして

見つけた

暗闇の中で蹲るニノを

負のスパイラルを断ち切る術を見つけた

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