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貴方だけを愛してる

第10章 つなぐ手の行き先

ニノとお爺ちゃん先生の家で暮らすようになって一ヶ月が過ぎた

相変わらずニノは2人っきりになると幼くなる

A「ニノ?こんな所で寝てたら風邪引くよ?」

N「んん〜ゃぁ…の…」

A「やーのじゃないよ?にーのー!」

気持ち良さそうに眠るニノを起こすのは忍びない

でも窓際の床で寝てると風邪を引くかもしれない

せめてソファーとかラグの上で昼寝してくれればいいのに…

A「にーのー!」

N「やぁの!まぁくん…ニノって呼ばないで!!!!」

…やだってそっちかよ

A「はぁ〜かずくん?起きて?風邪引くよ?」

N「くふふ、まぁくん抱っこしてぇ?」

A「はいはい…甘えん坊さん」

N「きゃはは♪」

抱き上げればきゃっきゃと甲高い声をあげ喜ぶ

その様子は可愛らしい子供みたいだけど…

ほとんど年齢の変わらない男の子を抱っこして歩くのはどうなんだろう?

家の中だけならまだ良いけど…

A「かずくん?お外で抱っこなんて言わないでね?」

N「なんでぇ?かずのこと抱っこするの嫌?」

A「嫌じゃないよ?でも…赤ちゃんじゃないんだから変でしょ?笑われるよ?」

N「むぅ…」

可愛くむくれてるけど…本当に外でもやりかねないな…

こんな穏やかな日々はとても心地いい

でもこの無邪気さは本当のニノなのか不安になる

もし外でも

俺以外にもこんな風に甘えてたら…

そう思うと心の中にドス黒い炎が揺らめく

A「ねぇかずくん?まぁくん以外にも…抱っこしてってお願いするの?」

N「んー?」

A「例えば翔ちゃんとか…」

N「あぁ!翔ちゃんとリーダーはお願いするとしてくれるよ?でも潤くんはダメね…怒られるのよ…」

A「お願いしてるのかよ…」

この小悪魔め!!!!

A「メンバー以外は?」

N「…そんな事…なんで聞くの?」

A「気になるから」

N「…嫌なのよ」

急にプイッと顔を背け腕の中から逃げようとする

A「…逃がさないよ?ちゃんとこっち見て答えて」

N「嫌なのよ…まぁくん怖いのよ…」

A「かずくん…まぁくんが聞いてるの。答えて。メンバー以外にも抱っこしてってお願いしてるの?」

N「知らない…」

A「かず!!!!」

N「知らないの!まぁくん嫌い!!!!」

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