テキストサイズ

貴方だけを愛してる

第8章 暗い海

あの家に呼び出されるようになって3ヶ月が過ぎた

もうなんの感情も湧かない

ただただ黙って心を殺してされるがままだった

アイツらは体を傷つけたり、痕を残すような事はしなかった

アイドルという仕事が体を守ってくれた

もともと食が細かった僕は仕事場でご飯を食べなくても誰も気にしなくて

痩せて始めても

「食べても太らないんだよねぇ〜」

なんて呑気そうに答えればそれで済んだ

相葉くんともたまーに一緒に帰るが家への行き来は辞めた

どこで待ち伏せされるかわからないから

心配そうに見つめてる目には気づいてた

でも

誤魔化し続けて元気で明るいニノちゃんを演じた

お調子者で

口が悪くて

でもボーッとしてる変わった子

それが

アイドル二宮和也だから














滝「相葉ちゃん?どーした?」

A「んーまた無理して笑ってる」

滝「ニノ?」

A「うん…」

滝「そうかな?心配しすぎじゃない?」

A「ご飯もね?食べないの…。大好きな唐揚げ…あげても食べないの…」

滝「…。」

A「前まで一緒に帰るときね…ラーメン食べに行ったりバッティングセンター行ったりしてたのに誘っても断るの…」

滝「…何か変なの?」

A「うん…変なの…ニノ…俺のこと嫌いになったのかな?」

滝「そんな事はないでしょ?あれだけ心配して隣にいつもいるじゃん」

A「でも!遊んでくれない…」

滝「泣くなよ…」

A「ふぅぅ…ひっく…俺…ニノに何かしたかな…」

滝「はぁ…調べてあげるから泣くな…お前が泣くとニノに睨まれるから…」

A「ニノ…もう怒らないよ…きっと…」

滝「困ったなぁ…」

今「どーした?って相葉ちゃん!?」

滝「ニノに嫌われたかもって泣き出した…」

今「はぁ!?そんなことあるわけないだろ!?」

滝「でしょ?」

A「でも…ニノ…俺のこと避けてる…」

今「んー」

滝「しかたない、調べよ。ニノがなんで相葉ちゃんを避けてるか」

今「だな!任せろ!」

A「ぅー」




そんな会話があったことすら僕は知らなかった

僕は僕の事で精一杯だった

この居場所を守る事で

ストーリーメニュー

TOPTOPへ