テキストサイズ

貴方だけを愛してる

第8章 暗い海

「和くん!」

病院に駆けつけて来たお母さん達が泣いてる

母「ごめんね…気づいてあげられなくて…ごめんね…」

周りを見渡せば事務所の社長も先輩たちもいた

N「なんで?」

姉「相葉くんが…和の様子がおかしいって…先輩たちに相談してたみたいなの…それで…何度か交代で和の後をつけて様子見てたみたい。証拠がないと大人は動かないって」

知らなかった…

騙せてると思ってたのに…

父「和…なんで相談してくれなかったんだ?脅されてるって…」

N「・・・」

「お父さん…お気持ちはわかりますが…今は体のこともあります。少し休ませてあげましょう」

父「そうですね…」

母「和くん…怖かったでしょ?もう大丈夫よ?」

大丈夫?

本当に?

もう…誰にも触られなくて済む?

相葉くんを…守れた?

「ひとまずここは…」

ぞろぞろと部屋から出て行く

「和也くん?明日…落ち着いたら何があったか話してくれるかな?」

優しそうなおじさんが聞いてくる

N「…警察の人?」

「うん。だから話を聞かせてくれる?」

N「…わかりました」

終わった…のか

アイツらは捕まったのか…

やっと実感が湧いてくる

その瞬間ぶるっと体が震え耐えられず自分の手で抱きしめる

N「ふぅ…ぅぅ…」

「怖かったね…もう大丈夫だよ…」

止めどなく流れる涙は安心から?

やっと終わった

助けに来てくれた…

N「あいば…くんは?相葉くんに会いたい…」

思い出すのはヒーローのように飛び込んで来てくれた相葉くん

何度も願った

助けてと名前を呼んだ

その通りに相葉くんは来てくれた

「相葉くんは今お話を聞いてる。終わったら…来てくれると思うよ?」

N「ほんとに?相葉くん…来てくれる?」

「あぁ…君を助けに来てくれたんだからね。必ず来てくれるよ」

N「うわぁぁん…ぁぁああ…会いたいよぉぉ…あいた…ぃ…ひっく…んく…会いたいよぉぉ…」

なだめるように頭を撫でられて久しぶりに安心する

今まで僕を傷つけるために這ってた手と違う暖かい手に

相葉くんが来てくれるという約束に

体力の限り泣き続けた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ