私と飼い主のはなし
第7章 彼じゃなくて
「はあ、はあ、…ひなたちゃん…気持ちよすぎ…ひたなちゃんとえっちできるなんて、夢見たいだったよ…」
最後にぎゅっと名残惜しそうにわたしの身体を抱きしめて、荒れた息を整えながらそう呟いた。
そして授業終了の鐘がなる。
もうすぐみんなが戻ってくるから、着替えなきゃ。
小嶋くんにそう伝えようと思いながらふと視線をまたドアに戻す。
そこには久城くんはいなかった。
(さっき、なんて言っていたんだろう…)
頭の中で口の動きを思い出す。
何通りかの言葉を探してやっと答えが見つかる
(ご褒美だよ…って言ってたのかな…ご褒美って…、もしかして、これのこと?)
もしかして、久城くんは初めから教室に小嶋くんがいることを知ってて、こうなる事を予め予想してたの…?
「藤野さん、本当に、ありがとう…僕、ずっと君の事が好きだったんだ、今日は一生で一番の幸せな日だよ…」
今にも泣き出しそうな顔で深々とお礼をする小嶋くんを可愛いと思ってしまう。
クラスメイトとえっちなんて、もうしたくはないはずなのに
「もし、誰かにいいそうになったら…またいう事なんでも聞くからね。」
また自分の中の新しい扉を開いらいてしまった。
オナニーじゃなくて、えっちの気持ちよさにやみつきになりそうな気がした。
これが、久城くんの目的だったのかもしれない…