ROOMMATE
第2章 新生活
「物件はあちらです。
砂利道なので足元に気を付けてください」
高橋さんの指した方に向くと、
すぐ先に古そうな一軒家が見えた。
ふーーーっ
軽く深呼吸して、キャリーバッグを傷付けないよう持ち上げ家の前まで来ると
「今は昼間なので仕事に行ってる方が多いと思いますが、誰かいたら挨拶してください」
はい、とだけ返事をして中に入る。
玄関は広く、大きい靴箱にはぎゅうぎゅうに靴が入れられていた。
「女性の靴箱はそこです。
1人ずつスペースが決まっているので
この番号のところを使ってください」
C-3と書かれたシールが貼ってあるスペースに靴を入れて中に入った。
建物は古そうだけど、汚れとかないし綺麗じゃん。
案内されたキッチンにはテーブルと椅子が置いてあり、座って見渡しながら奈緒はそう思った。