
貴方の涙は俺が拭くから ON
第19章 忘れられない過去1 智
3部屋あるうちの二部屋を 俺と原が使ってたんだけど
空いてる一部屋には たまに誰かが泊まりに来ることもあったから
そのこと自体は珍しくも無かったけど
その時来た先輩二人は 俺とも原とも 特に仲がいいわけでも無かったから
少し不思議な感じがして 俺にしては何となく神経を尖らせてたのかも知れない
部屋の中に 誰かの気配のようなものを感じて
深夜にふと目が覚めたんだ
まだ半分寝ぼけた頭に聞こえてきたひそひそ声は
「よく寝てるな・・・」
「その方がいい、騒がれると困るから・・・さっさと済ませよう」
