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貴方の涙は俺が拭くから ON

第34章 言わなくちゃいけないのに3 ニノ



何か理由があると言うのなら
とりあえず 今はあの人の説明を待とう

そう決めると 少しだけ気持ちが軽くなった


「翔ちゃん、ありがと」
「え・・・大したこと言ってないけど」

「そうだけど、ありがと」
「そこ肯定なんだ・・・」


眉毛を下げて笑いながら 翔ちゃんが新聞を捲る


恋愛感情じゃないにしろ、翔ちゃんが大野さんのことを
この上なく大切に思ってる事は 誰でも知ってる事実

その翔ちゃんが 俺を信頼して 
大野さんの事は任せたと言ってくれるのは
ちょっとプレッシャーを感じながらも 
素直に嬉しいし 誇りにも思う


俺に出来る事なんて ごくわずかで、
限られてるのかも知れないけど
それでも、俺が大野さんの為に出来る事は 全部するからね


最愛の娘を託してくれた父親に向かって 
その幸せを誓うような気持ちで
俺は翔ちゃんにお礼を言った



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