
貴方の涙は俺が拭くから ON
第42章 貴方の為に出来る事を6 ニノ
暗い気分を吹き消すように
廊下を歩きながら笑顔を作ろうとする
けど、上手く出来ない
そりゃそうだ、今は仕事じゃないんだし
更に言えば 大野さんの為、ならともかく
自分の気分をアゲる為、の笑顔なんて
そんな簡単には出来っこない
それにそんな作り笑顔、
大野さんには一発で見破られるに決まってんだから・・・
とぼとぼ歩いて玄関の前に立つと
中からガチャリとドアが開いた
「お疲れ様。今まで仕事だったの?」
「・・・ううん・・・仕事は早めに終わってたんだけど・・・」
「じゃあ、・・・偉い人に怒られてた?」
「・・・・・・」
