貴方の涙は俺が拭くから ON
第8章 吐き通せなかった嘘1 智
「何よ、お化けでも見たような顔しちゃって」
「だ、だっ・・て・・・お前、何?何してんの?」
「ご覧の通り、仕事終わるの待っててあげたの。さっき、帰ろうとする俺引き留めて“待って”って言ったからさ」
「・・・・・・」
「は?何その態度。言ったよね?アンタ確かにさっき言ったよね?」
「・・・言った・・っけ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・言った・・・かも・・・」
「分かればよろしい、んじゃ しゅっぱーつ♪」
いや・・・言ったけどさ
確かに、つい口から滑り出ちゃったけどさ・・・
アレは、無かったことにしてくれて良かったのに
この状況、困る・・・・・・