
雪に咲く花
第10章 深いきずあと
亘、美桜、海斗、美紅は無言のまま座っていた。
「雪斗には、たくさんの我慢をさせてたのよね」
美桜が沈黙を破った。
「小さい頃は、もっと甘えん坊で無邪気な子だっのに」
雪斗たちの両親が亡くなってからのいきさつを、美桜が語り始めた。
両親が突然の事故で亡くなったとき、引きとってくれる親戚たちが中々いなかったという。
母の姉妹は地方に嫁いでいたし、父の弟も仕事でリストラにあい経済的に無理と言うことだった。
祖父母も亡くなっていたため、最終的に父の下の弟が、渋々一人だけならと引き取ることを承諾した。
結果的に末っ子の雪斗だけを引き取ることになり、美桜、海斗、美紅の三人は自宅で親戚たちの僅かな援助を受けながら暮らすことになった。
しかし、兄姉と引き離されることになった雪斗は拒否したのだ。
「僕も、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいるんだ。絶対にやだよ!」
泣きじゃくる雪斗に、美桜は言い聞かせた。
「雪斗はまだ小さいから家に一人でいたら危ないこといっぱいあるの。叔父さんのところのほうが、ご飯もおやつもいっぱい食べれるのよ。」
「いやだっ!絶対いやだぁっ!」
最後まで雪斗は駄々をこね続けた。
「雪斗には、たくさんの我慢をさせてたのよね」
美桜が沈黙を破った。
「小さい頃は、もっと甘えん坊で無邪気な子だっのに」
雪斗たちの両親が亡くなってからのいきさつを、美桜が語り始めた。
両親が突然の事故で亡くなったとき、引きとってくれる親戚たちが中々いなかったという。
母の姉妹は地方に嫁いでいたし、父の弟も仕事でリストラにあい経済的に無理と言うことだった。
祖父母も亡くなっていたため、最終的に父の下の弟が、渋々一人だけならと引き取ることを承諾した。
結果的に末っ子の雪斗だけを引き取ることになり、美桜、海斗、美紅の三人は自宅で親戚たちの僅かな援助を受けながら暮らすことになった。
しかし、兄姉と引き離されることになった雪斗は拒否したのだ。
「僕も、お兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいるんだ。絶対にやだよ!」
泣きじゃくる雪斗に、美桜は言い聞かせた。
「雪斗はまだ小さいから家に一人でいたら危ないこといっぱいあるの。叔父さんのところのほうが、ご飯もおやつもいっぱい食べれるのよ。」
「いやだっ!絶対いやだぁっ!」
最後まで雪斗は駄々をこね続けた。
