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雪に咲く花

第10章 深いきずあと

全裸の雪斗が、落書きだらけの体で凌辱を受けてるものだったのだ。
様々な形で裸体を弄られ、泣き喚いている雪斗の様子が伝わってくる。
雪斗の他には誰も映っていないが、学生服の一部が所々見えた。
着信先を見ると、やはり例の虐めグループらしい。
「チキショー!なんとかしてくれよ。あいつが何したっていうんだよ!」
海斗が亘の胸ぐらを掴んでゆさぶった。
「海斗!この人は、まだ先生じゃないの。落ち着きなさい!……。ごめんなさい。弟は今、気が動転してるものだから……」
美桜が亘から海斗を離し頬を打った。
雪斗の残酷な画像を見つけた美紅は、もう隠し続けることは出来ないと兄姉に全てを打ち明けたのだ。
何も知らなかった兄姉たちの衝撃は半端ではない。
まさか、弟がこんな地獄を味わい、ずっと傷を抱えていたとは……。
話も聞かず、一方的に叱りつけてしまった自分が酷く情けなく感じた。
「お兄さんが怒るのも無理はないです。俺だって……てっきり終わっていたと思ったのに」
(今度こそ許せない!)
亘が拳を握った。

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