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雪に咲く花

第10章 深いきずあと

「落ちついたか?」
雪斗の呼吸は徐々に安定していった。
すすり泣く声が聞こえ、亘は雪斗をそっと抱きしめ頭を撫でた。
「怖いよ……。俺の体……汚れちゃった」
亘の優しい手に抱かれ心が解放されていく。
「違うっ!雪斗は汚れてなんかいない」
シングルの狭いベッドに亘は入りこんだ。
「狭いけど、一緒に寝よう」
どちらも細身なので、二人の身体はそれなりに収まった。
暗闇の中で、亘が雪斗の服を丁寧に脱がせていく。
真っ暗で何も見えないが、所々傷あとに触れるのを感じた。
「可哀想に、綺麗な身体なのにな」
他の男達の手は吐き気を感じるほど気持ち悪いのに、亘の手は優しさが伝わってくる。
「こっちも脱がすぞ」
パジャマのズボンが下着ごと下ろされた。
尻を撫でてから、後孔の入口を指先でなぞった。
「あっ……」
雪斗が小さく叫び声をあげる。
「ごめん……。まだ痛いか?」
「違うんだ。でも俺の身体汚ないよ。傷だらけだし……」
心配する亘に雪斗は呟いた。
「汚くないっていったろ!お前は綺麗だよ」
亘が雪斗の胸に顔を埋める。

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