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「そうなの？亘先生も色々と苦労があったのね」
美紅は亘と同じ教師志望であることから先輩である亘を先生と呼んでいる。
最も亘は教員免許をとったものの教師としての空きがなく学習塾の講師を勤めている状態なのだが……。
「俺、ずっと亘って勝手に強くて優しい人だと思ってたから、あんな亘の顔見るの辛いんだ。それに亘には何度も助けてもらったしさ」
「そんな事情があるならストレートに説得したって無駄よ。先生のお母さん側の話も聞いてみないと何も始まらないと思うけど」
「ああ、そうだよね。さすが、姉ちゃん頭いい」
姉のアドバイスに雪斗は、ふと思いつき決心したのだ。