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雪に咲く花

第12章 亘のきずあと

上司の妻は、「この泥棒猫!」と優子を罵り、頬を何度も打ち付けると、ケ―キの箱をひったくり足で踏みつけた。
上司も突然の妻の出現におろおろしながらも彼女を抑えつけようとしていた。
「やめて下さい!息子の誕生日ケーキなんです」
叫ぶ優子に、彼の妻は更に罵りの言葉をいれた。
「あんた、子供がいたんだ。それで人のものを盗むなんて最低な母親だね!どうせあんたの息子だったらろくな育ち方しないでしょうね」
彼女の言葉が優子の怒りを増した。
「あの子はとても優しくていい子なの!亘を馬鹿にするなんて許さない!」
上司の妻に掴みかかると思い切り突飛ばした。
しかし、悲劇はそこで始まったのである。
突飛ばした先には階段があり、上司の妻は思い切り転げ落ちていった。
しかも、運が悪いことに頭を強く打ち付け絶命してしまったのだ。
その後、優子は警察に送られることになり、亘は施設で過ごすこととなったのである。

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