雪に咲く花
第12章 亘のきずあと
優子と亘の壮絶な過去を聞き、雪斗はかける言葉がなかった。
「これで分かったでしょう。私は亘と母子の対面をする資格なんてないのよ。あのことは、私が母親ではなく女の心を捨てられなかった自分の弱さが招いたこと。今更、亘に会おうとも思っていないし、許してもらおうとも思ってないの。ただ……」
優子が涙ぐむ。
「亘が幸せに暮らしているかどうか確認したかっただけなの。いい人にもらって頂いたそうで安心したわ」
涙を流しながら、微笑む亘の母を見て、彼女が亘を今でも愛しているのは間違いないと感じた。
彼女のしたことは確かに許されることではないが、亘にこの気持ちだけは伝えてあげたいと思った。
「おばさんの方から亘の方に会いにいけないんですか?」
「そのつもりは一切ないわ。会っても、ただあの子を傷つけるだけなの。とにかく話を聞いて貰えるだけで心が軽くなったわ。亘のことを大切に思ってくれて有り難う」
優子が雪斗の手を両手で握った。
「これで分かったでしょう。私は亘と母子の対面をする資格なんてないのよ。あのことは、私が母親ではなく女の心を捨てられなかった自分の弱さが招いたこと。今更、亘に会おうとも思っていないし、許してもらおうとも思ってないの。ただ……」
優子が涙ぐむ。
「亘が幸せに暮らしているかどうか確認したかっただけなの。いい人にもらって頂いたそうで安心したわ」
涙を流しながら、微笑む亘の母を見て、彼女が亘を今でも愛しているのは間違いないと感じた。
彼女のしたことは確かに許されることではないが、亘にこの気持ちだけは伝えてあげたいと思った。
「おばさんの方から亘の方に会いにいけないんですか?」
「そのつもりは一切ないわ。会っても、ただあの子を傷つけるだけなの。とにかく話を聞いて貰えるだけで心が軽くなったわ。亘のことを大切に思ってくれて有り難う」
優子が雪斗の手を両手で握った。