テキストサイズ

雪に咲く花

第12章 亘のきずあと

十数年会うことはなく、いつの間にか歳を重ねた様子が出ていてもすぐに分かる。
紛れもなく自分の母親なのだ。
「雪斗、これはいったいどういうことなんだ?」
亘が震えながら雪斗を見る。
「言ったよね。これを見ないと亘は呪われるって、見てくれないなら俺、亘と別れるからな」
「亘兄、せめてこれだけは見てくれよ。見なかったら俺も勘当するからな」
「颯人、そこは親子じゃないから絶交じゃ……」
「どっちだっていいよ!とにかくそういうことだ」
亘が二人の熱意に負け、ブラウン管の中に再び目を戻した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ