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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

朝から俺は、そわそわしていた。
今日は思いきって、歩に告白するつもりだ。
こんな日は、周りのことなんか目に入らないもんだな。
歩のことで頭がいっぱいだ。
とにかく、時間がたつのが遅く感じる。
ようやく放課後になり、待ち合わせ場所の校門の前で待っていた。
10分、20分、時間がたったが来る様子がない。
下校する団体にも、歩の姿は見えない。
今日はクラブもないし、すぐに帰れると聞いたはずだが、なにか急用でも出来たのだろうか?
携帯の電話番号ぐらい聞いとくべきだったな。
それとも、まさか、俺の気持ちを察して逃げたんじゃなかろうな。
と、言うことは……。
まだ、告白もしないうちに失恋ということか?
「颯人っ!」
そんな不安にかられていると、雪斗が息をきらして走ってきたんだ。
「どうしたんだよ?そんなに、慌てて……」
「大変なんだ!歩君が……」
雪斗の話を聞いて俺は走り出した。
歩は、癖の悪い3年のやつらに連れ去られたらしい。
たまたま雪斗がその話を耳にいれ、知らせにきてくれたのだ。
もっとも、雪斗も、そいつらの餌食になりそうになった経験がある。
たまたま、教師が通りががって未遂で終わったそうだが。

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