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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

「大丈夫か?とにかく、まず服着ちまえよ」
以前の雪斗を虐めから助けたときのことを思いだし、服を差し出した。
裸で逃げ出したりしたら困るからな。
歩は頷くと、震えながら服を身につけていった。
こいつは、慎重そうだから雪斗みたいにアホではないか。
「……こっ、怖かった。……僕、先輩のところへいこうとしたら、あの先輩たちに大事な話があるからって言われて……おかしいとは思ったけど、ついてきたら、いきなり……」
歩が泣きじゃくりながらいきさつを話した。
体育倉庫まで来ると、突然あいつらに抑えつけられ、服を脱がされて、身体のあちこちに触られたそうだ。
さらに、歩のあそこに、指を突っ込んでかき回したという。
本格的に、あいつらの汚いものを身体に入れられそうになったときに、俺が飛び込んだというわけさ。
「俺が、俺がお前を守ってやるからな」
「先輩……」
肩を震わせながら歩が声をあげて泣き出す。
しばらく、歩が落ち着くまで抱きしめていた。

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