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雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

それから、家にたどり着くまで、色々な話をした。
歩には、この間話した芽衣ちゃんとの間にもう一人中学生の妹がいること。
妹たちを喜ばそうとお菓子を作ったことから本格的にお菓子作りが好きになっていったこと
それが、きっかけでスイーツクラブに入ったこと、
パテシエになるのが夢だということ、
男子たちには、男のくせにお菓子作って女みたいだと馬鹿にされていたが、手作りのお菓子を差し入れしたところ、美味しさを評価され、逆に人気者になっていったこと、
数々の話が微笑ましいものだった。
「でも、最近、上の妹は太るからってあんまり食べてくれなくなったんです。年頃の女の子ですからね。いつか芽衣もそうなるんだろうな」
歩が少し寂しそうにつぶやいた。
「ところで先輩の夢って何ですか?」
咄嗟に聞かれて言葉につまる。
まあ、将来目指していることと言えば……。
「笑わないって約束してくれるか?」
「勿論ですよ。笑ったりなんてしません」
「そうか?じゃあ言うぞ。俺は保育士をめざしてるんだ」
笑われることを覚悟して俺は打ち明けた。

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