テキストサイズ

雪に咲く花

第14章 [番外編]誤解から始まる恋

「本郷先輩は確かに怖そうにみえるけど、妹を助けてもらったし、いい人だという気がしてたんです。
優しそうな顔してても、根がいい人とは限りませんから……」
おそらく、歩を傷つけた男のことを言っているのだろう。
そういえば、俺の顔を見れば、びびって逃げていくか、悪者あつかいするやつが多かったなかで、こいつは偏見なく接してくれたんだ。
「だから、僕のほうこそ、先輩にこんなこと知れたら嫌われると思ってたんです。」
そうか、こいつも同じこと思ってたんだな。
まあ、一度は俺も、男と知ってから忘れようとしてたけどよ。
「嫌いになるわけないじゃないか。男とか女とか、もうどうでもいい。俺と付き合ってくれるか?」
俺の申し出に、歩は頬を赤らめながら黙って頷いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ