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雪に咲く花

第17章 曇りゆく日常

雪斗が帰ったあと、亘はソファーに座りうつむいた。
「どうして、こんなことになったんだろうな?」
校長から、自分の家庭の事情が流出されていることを知らされ背筋が凍る思いだった。
まさか、こんなことで母親との過去が暴かれるとは……。
二人のキスした画像は、丸くおさめることが出来たとしても、亘の過去まで暴かれたとなると、雪斗の辛い過去まで、ほじくりだされてしまうかも知れない。
そんなことで雪斗が再び傷つくことは避けたかったのだ。
亘とて、雪斗と会えなくなるのは辛いのだが、今は大人しくしているしかない。
正直、せっかく、手に入れた教職を手離すのは、くやしいのだが、それよりも雪斗だけは守りたい気持ちでいっぱいだ。
「とにかく、はっきりさせなきゃな」
亘は、思い付いたように、ある電話番号を探し始めた。

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