
雪に咲く花
第18章 崩れていく幸せ
片付け終わり、下駄箱にたどり着くと扉を開けた。
鍵をかけることの出来ない下駄箱の中身は、相変わらず、好き放題、誹謗、中傷の落書きがされている。
靴を出そうとすると、紙切れが置いてあるのが見えた。
「何だろう?まさか、また……」
陰湿な心ない嫌がらせの言葉が書かれているのかも知れない。
とにかく破り捨ててしまおうと、恐る恐る取り出すと、絵葉書である。
それには、海から昇る日の出の写真が葉書一面に映っており、裏返すと、『元気出して 必ず、また太陽は昇るから』と、丸っこい文字が大きく書かれていた。
「誰だろう?変わったことするんだな」
差出人の名前は書かれていない。
颯人が、入院して以来、学校に来れば、雪斗を理不尽に攻撃してくる連中が多く、心が休まらない日々だったが、そんな一枚の葉書に書かれたささやかな言葉に温かさを感じる。
家に帰ってから、絵葉書の端に穴を開けリボンを通すと栞を作った。
写真が好きな雪斗は、気に入ったものは持ち歩けるように栞にしてしまうのだ。
栞にしては、大きすぎると周りからは笑われるが、
「大きい方が、分かりやすくていいんだよ」と返していた。
その栞は、お守りにすることにきめたのだ。
鍵をかけることの出来ない下駄箱の中身は、相変わらず、好き放題、誹謗、中傷の落書きがされている。
靴を出そうとすると、紙切れが置いてあるのが見えた。
「何だろう?まさか、また……」
陰湿な心ない嫌がらせの言葉が書かれているのかも知れない。
とにかく破り捨ててしまおうと、恐る恐る取り出すと、絵葉書である。
それには、海から昇る日の出の写真が葉書一面に映っており、裏返すと、『元気出して 必ず、また太陽は昇るから』と、丸っこい文字が大きく書かれていた。
「誰だろう?変わったことするんだな」
差出人の名前は書かれていない。
颯人が、入院して以来、学校に来れば、雪斗を理不尽に攻撃してくる連中が多く、心が休まらない日々だったが、そんな一枚の葉書に書かれたささやかな言葉に温かさを感じる。
家に帰ってから、絵葉書の端に穴を開けリボンを通すと栞を作った。
写真が好きな雪斗は、気に入ったものは持ち歩けるように栞にしてしまうのだ。
栞にしては、大きすぎると周りからは笑われるが、
「大きい方が、分かりやすくていいんだよ」と返していた。
その栞は、お守りにすることにきめたのだ。
