雪に咲く花
第22章 本物の悪魔
双子の弟は、瓶底眼鏡で素顔を隠し、子供時代の風貌とかけ離れていたこと、また眼中になかったため、下の名前まで知らずにいたのだ。
幼い頃の自分と同じ名字だったにもかかわらず、しかも、ずっと身近にいたのに気付くことが出来なかったのだ。
「まさか、黒沢が光多と双子だったなんて……。光多!自分の兄弟なんだろ!こんなことやめさせてよ」
雪斗が必死に懇願する。
自分の片割れが、今、目の前で男達に犯されようとしている。
その姿を見て、今度は自分の身に起きた忌まわしい記憶が蘇る。
母の恋人に、犯されたこと、裕福な生活と引き換えに、この部屋で、道具を使って養父に性的虐待を受け続けてきこと、
思い出すと全身がふるえだした。
「杉山、いい加減にしろ!お前の分身なんだぞ」
亘の叫びを、聞いたと同時に近くにあったナイフが目に入った。
「やめろおぉぉ!……俺の身体に触るなぁ!」
ナイフを掴むと、駆けよって斉藤の背中に突き刺した。
「うぎゃあああぁっ!」
斉藤が絶叫し、赤い血が飛び散っていく。
「うああぁぁっ!」
光多が狂ったように叫び、震えながら床に崩れ落ちた。
幼い頃の自分と同じ名字だったにもかかわらず、しかも、ずっと身近にいたのに気付くことが出来なかったのだ。
「まさか、黒沢が光多と双子だったなんて……。光多!自分の兄弟なんだろ!こんなことやめさせてよ」
雪斗が必死に懇願する。
自分の片割れが、今、目の前で男達に犯されようとしている。
その姿を見て、今度は自分の身に起きた忌まわしい記憶が蘇る。
母の恋人に、犯されたこと、裕福な生活と引き換えに、この部屋で、道具を使って養父に性的虐待を受け続けてきこと、
思い出すと全身がふるえだした。
「杉山、いい加減にしろ!お前の分身なんだぞ」
亘の叫びを、聞いたと同時に近くにあったナイフが目に入った。
「やめろおぉぉ!……俺の身体に触るなぁ!」
ナイフを掴むと、駆けよって斉藤の背中に突き刺した。
「うぎゃあああぁっ!」
斉藤が絶叫し、赤い血が飛び散っていく。
「うああぁぁっ!」
光多が狂ったように叫び、震えながら床に崩れ落ちた。