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雪に咲く花

第24章 きずあとが癒えるまで

雪斗が頷くと、パジャマのズボンを下着ごと脱がした。
「あぁ!雪斗、この感触久しぶりだ」
亘が、雪斗の太ももを優しく撫でて、脚を開かせた。
「指いれるぞ」
亘の指が、雪斗の尻をなぞった瞬間、突然、空気が変わった。
「いやっ!やめてっ!嫌だ」
再び、雪斗の心に恐怖が訪れる。
男達が厭らしく、雪斗の中を、さんざん指でかき回した後、容赦なく身体を代わる代わる貫いていった記憶が戻ってきてしまったのだ。
亘の温もりが、やっと感じられるようになったのに、下半身は、まだ身体が受け付けないようだ。
雪斗の呼吸は乱れ、全身が震えだした。
過呼吸を起こしかけているのだ。
「雪斗、大丈夫か?」
亘は雪斗を抱き寄せ、懸命に背中を擦る。
雪斗の呼吸は徐々に落ち着いた。
「ごめんな。俺、安心してつい……」
「俺の方こそごめん。あそこ触られたら急に怖くなって……」
「でも、こうやって抱きしめることが出来ただけでも充分な進歩だ。焦らずいこう」
「俺、早く亘と結ばれるようになりたい」
雪斗の傷痕は快方に向かっているものの、まだ身体を繋げることは困難のようだ。
しかし、二人は、お互いの温もりを感じながら、ベッドを共にすることが出来たのだ。

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