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雪に咲く花

第26章 それぞれのスタートライン

それぞれに進路が決まり、皆が、別々の道を歩くことになった。

校門を出て歩いていくと、亘が待ち構えている。
「亘!……来てくれたんだ」
「あぁ、今日は、オフの日だし、お前たちの最後の制服姿を見たいと思ってな」
あの事件さえなければ、亘も教師として、卒業式を見届けるはずだった。
「雪斗、颯人、卒業おめでとう」
「サンキューな。さてと、おじゃま虫は消えるとするか。じゃ、雪斗、また会おうな」
二人に気をきかせた颯人が立ち去っていく。

「もう学生じゃないから、やっと亘と対等になれるんだね」
海の見える景色のいい公園まで来ると、亘は雪斗を抱き寄せ、唇を重ねた。
「雪斗、これからもずっと一緒にいような」
「勿論だよ。俺も亘の手を離さないから」
二人が出会ってから、幸せの中に、辛い出来事も多かった。
しかし、その試練を乗り越え、雪斗と亘の絆は、また強く結ばれたのである。
しかし、また新たな試練は、これからも二人に与えられるだろう。
大人の階段に登った雪斗と亘の物語は、また繰り返されるのだ。

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