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雪に咲く花

第30章 招かれざる客

寝るまも惜しんで勉強に励んだ努力が実り、無事、亘の通っていた第一志望の大学に合格した。
もちろん、既に亘は卒業しているのだが、それでも、亘に一歩近づけたような気がしたのだ。
あの日、偶然、久しぶりに地元で亘に再会したときは運命を感じたほどだ。
しかし、思いがけず、彼から自分と同じ年であるという少年を紹介された。
まさか、相手が同性だったとは……。
しかも、容姿も自分と近い系統だ。
もし、相手が女性であれば諦める決心もついたかも知れない。
しかし、亘は雪斗のような少年を選んだ。
「何で、あんな雪斗ってやつが……」
それならば、自分にもチャンスはあったんじゃないかと悔やまれる。
どんなに好きでも、同性である以上、叶わない恋だと忘れる努力までしたのに……。
「今までの気持ちはなんだったんだよ」
自分と対して条件の変わらない雪斗は、簡単に彼の心を手に入れたのだ。
それならば、もう一度、亘にアタックしてみよう。
あの二人の仲など壊してしまえばいい。
雪斗に対するジェラシーが、悠希の中で膨らんでいく。
亘を手に入れたいあまり、住むところがないと亘にすがり、家に置いて欲しいと頼んだのである。
一度、火がついた気持ちは簡単に止めることが出来なかった。

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