雪に咲く花
第36章 戻らない絆
亘は雪斗のことを、何か汚いものでも見るような顔をしているのだ。
「ひどいよっ!そんなこと言うなんて……」
涙で視界も思い出も曇っていく。
「すまないが帰ってくれないか」
「帰るよ。あんたなんか、俺が一緒にいた亘じゃない!亘はあの時、事故で死んだんだ!」
突き放す亘に憎しみの言葉を投げ掛けると、玄関の方に向かった。
「忘れものだぞ」
亘が買い物袋を手に取る。
「いらないよ!捨てちゃえばいいだろっ!」
雪斗が、ドアを強く閉めて出ていった。
亘が買い物袋の中を覗くと、蓮根や挽き肉、卵などの食材が入っている。
どういうつもりだったのかは知らないが手料理を作ろうとしていたらしい。
椅子に腰掛け、亘は溜め息をついた。
「きつい言い方だけど、これで良かったんだよな?」
颯人の友達でもあるし、一度は雪斗とも仲良くしてみようと考えた。
しかし、悠希から怪しい画像を見せられ、雪斗のよからぬ話を聞いたことにより躊躇してしまったのだ。
また雪斗が自分の体は汚れていると言い抱きついてきたことから、悠希の話が亘の中に決定づけられていった。
悠希の言う通り、雪斗とは深く関わらない方がいいだろう。
亘の雪斗への気持ちは、思いがけず遠くなってしまったのである。
「ひどいよっ!そんなこと言うなんて……」
涙で視界も思い出も曇っていく。
「すまないが帰ってくれないか」
「帰るよ。あんたなんか、俺が一緒にいた亘じゃない!亘はあの時、事故で死んだんだ!」
突き放す亘に憎しみの言葉を投げ掛けると、玄関の方に向かった。
「忘れものだぞ」
亘が買い物袋を手に取る。
「いらないよ!捨てちゃえばいいだろっ!」
雪斗が、ドアを強く閉めて出ていった。
亘が買い物袋の中を覗くと、蓮根や挽き肉、卵などの食材が入っている。
どういうつもりだったのかは知らないが手料理を作ろうとしていたらしい。
椅子に腰掛け、亘は溜め息をついた。
「きつい言い方だけど、これで良かったんだよな?」
颯人の友達でもあるし、一度は雪斗とも仲良くしてみようと考えた。
しかし、悠希から怪しい画像を見せられ、雪斗のよからぬ話を聞いたことにより躊躇してしまったのだ。
また雪斗が自分の体は汚れていると言い抱きついてきたことから、悠希の話が亘の中に決定づけられていった。
悠希の言う通り、雪斗とは深く関わらない方がいいだろう。
亘の雪斗への気持ちは、思いがけず遠くなってしまったのである。