雪に咲く花
第38章 亘の空白
学校の授業が終わり、亘は自宅へと向かっていた。
季節は秋も終わりを迎えようとし、肌寒さも徐々に増してきている。
人通りの少なくなった場所に出たときだった。
突然、人影が飛び出し、亘にぶつかったのだ。
「お願いです!助けて下さい!」
OLらしい女性が、目の前で助けを求めている。
「えっ!?いったい何があったんです?」
「待ってよ!」
後ろから足音が聞こえ、女性を呼び止めようとしているらしい声がする。
おそらく、怪しい男に絡まれたのだろう。
亘は咄嗟に、細い路地の中へ女性を隠した。
足音の主は、真っ直ぐ道路を走りぬけて行った。
「えっ……!?何だ?……」
女性を匿った瞬間、突然、既視感のようなものを覚えた。
脳裏に姿形がはっきりとしない人物が浮かび上がる。
「何だろう?前にもこんなことあったような……」
「あの……」
考えこんでいると、女性から声をかけられる。
「ありがとうございます。お陰で助かりました」
女性が頭を下げて礼を言うと去っていった。
「いったい、今の感覚は何だったんだろう?」
なくした記憶の一部なのかも知れない。
頭を捻っても答えは出ず、すっきりしないまま、帰り道を歩き始めた。
季節は秋も終わりを迎えようとし、肌寒さも徐々に増してきている。
人通りの少なくなった場所に出たときだった。
突然、人影が飛び出し、亘にぶつかったのだ。
「お願いです!助けて下さい!」
OLらしい女性が、目の前で助けを求めている。
「えっ!?いったい何があったんです?」
「待ってよ!」
後ろから足音が聞こえ、女性を呼び止めようとしているらしい声がする。
おそらく、怪しい男に絡まれたのだろう。
亘は咄嗟に、細い路地の中へ女性を隠した。
足音の主は、真っ直ぐ道路を走りぬけて行った。
「えっ……!?何だ?……」
女性を匿った瞬間、突然、既視感のようなものを覚えた。
脳裏に姿形がはっきりとしない人物が浮かび上がる。
「何だろう?前にもこんなことあったような……」
「あの……」
考えこんでいると、女性から声をかけられる。
「ありがとうございます。お陰で助かりました」
女性が頭を下げて礼を言うと去っていった。
「いったい、今の感覚は何だったんだろう?」
なくした記憶の一部なのかも知れない。
頭を捻っても答えは出ず、すっきりしないまま、帰り道を歩き始めた。