無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「有り難うございます。黒崎さん。これからよろしくお願いしますね」
「よし！これから厳しくなるからな。覚悟しとけよ」
ポーカーフェイスの眼鏡の奥で、厳しくも優しい瞳をしていた黒崎に雪斗はまだ気づいていない。
「お待せしたね。今日は特別メニューだよ」
喫茶店のマスターが、直径２０センチほどあるハンバーガーを運んできた。
三人前くらいあるボリュームに雪斗は目を見張る。
「わぁ、凄い！こんな大きなハンバーガー初めてだ」
「今日は僕の奢りだ。遠慮なく食べてくれ」
「いいんですか？ご馳走になっちゃって？」
「今日はお祝いだからね。特別だよ。さあ食べよう」
「では、遠慮なく頂きます」
雪斗が、ハンバーガーを手にして頬張る。
「美味しい！そのへんの店なんかと比べ物にならないや」
ビッグサイズのハンバーガーは、ジューシーなハンバーグの味とともに、ベーコンや新鮮なレタス、トマト、玉ねぎのみじん切り炒めが挟んであり、マスター特製のソースとうまくマッチされている味だ。
「君は見かけによらず、いい食べっぷりだね。見ていて気持ちいいよ」
ジャンボハンバーガーを美味しそうに平らげる雪斗を見て、黒崎は亡き弟を思い出す。