雪に咲く花
第38章 亘の空白
自分の弟も、細身の体に似合わず大食いな方であった。
食事をするとき、いかにも美味しそうに食べていた姿が脳裏を駆け巡る。
こういうところも、弟に似ているなと感じた。
「なんか、こうして見ると、二人とも先輩と後輩というより、兄弟みたいだな」
「えっ!……そう見えますか?」
丁度、弟のことを思い出していた黒崎が、マスターの言葉に驚く。
「聖(さとし)くんが、この子を見る目は、弟を心配するお兄さんの目だよ」
聖というのは黒崎の名前だ。
マスターは、黒崎が雪斗に弟を重ねていることを感じていたのだろう。
黒崎は、どちらかといえば、すらっとしており、眼鏡をかけたクールですっきりとした顔立ちだ。
決して、雪斗と似ている系統の容姿ではないが、マスターの瞳には弟のように雪斗を見守る黒崎の姿が、兄のように見えたのかも知れない。
「黒崎さん。俺、大学行って広報部入れるように頑張りますから!また、色々教えて下さいね。今日は有り難うございました」
店を出て雪斗と別れた後、黒崎は空を見上げた。
「お前が生きていれば、あの子といい友達になれたかも知れないのにな」
黒崎は、空の彼方にいる弟に呟いた。
食事をするとき、いかにも美味しそうに食べていた姿が脳裏を駆け巡る。
こういうところも、弟に似ているなと感じた。
「なんか、こうして見ると、二人とも先輩と後輩というより、兄弟みたいだな」
「えっ!……そう見えますか?」
丁度、弟のことを思い出していた黒崎が、マスターの言葉に驚く。
「聖(さとし)くんが、この子を見る目は、弟を心配するお兄さんの目だよ」
聖というのは黒崎の名前だ。
マスターは、黒崎が雪斗に弟を重ねていることを感じていたのだろう。
黒崎は、どちらかといえば、すらっとしており、眼鏡をかけたクールですっきりとした顔立ちだ。
決して、雪斗と似ている系統の容姿ではないが、マスターの瞳には弟のように雪斗を見守る黒崎の姿が、兄のように見えたのかも知れない。
「黒崎さん。俺、大学行って広報部入れるように頑張りますから!また、色々教えて下さいね。今日は有り難うございました」
店を出て雪斗と別れた後、黒崎は空を見上げた。
「お前が生きていれば、あの子といい友達になれたかも知れないのにな」
黒崎は、空の彼方にいる弟に呟いた。