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雪に咲く花

第40章 消えない繋がり

亘は、スマートフォンを取り出すと、再び同じ番号に電話をかけた。
『この電話番号は現在使われておりません……』
何度かけても繋がらない。
「困ったな……電話を買い替えたのかな?あの子の家も分からないし……」
颯人から、意外な真相を聞かされてから、雪斗に会って謝りたいと思ったのだ。
残酷な仕打ちを受けた過去を抱えた傷心の雪斗に、何も知らずに酷い言葉をぶつけてしまった。
きっと彼は、身を斬られるほどに傷ついただろう。
しかも、子供時代に別れた母親がこの世を去る前に、雪斗が関わっていたと聞く。
何が何でも会って話をしなければいけない。
しかし、雪斗に電話が繋がらない今は、連絡の手段がないのである。
警察学校にいる颯人に連絡をとるのも不可能なのだ。
記憶を失うことがなければ、彼の自宅なら分かるはずだったのに……。
「くそっ!……記憶さえ戻ってくれたら……」
亘が頭を抱える。
12月に入り、駅の周辺はすっかりクリスマスモ―ドだ。
きらびやかにイルミネーションが灯され、『星に願いを』のアコースティックなメロディーが流れている。
「このメロディーは?……」
不思議とメロディーに懐かしさを覚えた。

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