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雪に咲く花

第40章 消えない繋がり

「どこで聴いたんだろう?何か深い思い出があるような……」
一般的に、耳にしやすいものではあるが、思い入れの深い何かがあるような気がする。
疑問に思いながら、自宅までの道を目指した。

帰宅すると、灯りのない部屋は真っ暗で、静か過ぎるくらいだ。
空気が冷たくなってきたことで、尚更寂しさを感じてしまう。
数日前まで、悠希が同居していたが、ルームシェアする相手が見つかったため、荷物をまとめて去っていった。
悠希は、雪斗のことで嘘をついてたことに詫びを入れ、今度こそ亘に別れを告げたのだ。
「こんなに、寂しいもんだったかな?」
灯りを点けても、心にぽっかり空いた穴は塞がらない。
湯を沸かして紅茶を注ぎ、飲もうとして椅子に座ったときだった。
灯したはずの部屋の灯りが、突然消えたのだ。
「何だ!?……停電か?困っちゃうな」
用意した紅茶を飲み干すと、手探りで蝋燭を探す。
いざというときのために、引出しから取り出せるようにしておいたのだ。
火を点けて蝋燭を灯すと、目先だけは見えるようになった。
「まあ、今の時期は懐中電灯よりいいかもな」
炎を眺めていると、突然どこからか悲鳴が響いた気がした。

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