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雪に咲く花

第7章 誤解から生まれた友情

「なるほどね。それにしても君はこの前といい今日といい人騒がせだな」
雪斗と本郷にあった出来事を聞いて亘が笑いだした。
「笑い事じゃねえよ!お陰でこっちは犯罪者あつかいだぜ」
本郷がふてくされる。
「ごめんなさい……。俺、てっきり、あいつらと同類かと思ったから……」
雪斗が決まり悪そうに謝罪した。
「あんな馬鹿なやつらと一緒にすんなよ。まあ、こんな顔だから今に始まったことじゃないし、分かればいいよ」
あのとき、警官に捕まり連れていかれた本郷を亘が身元引き受け人として引き取りにいったのだという。
「あっ、ところで」
雪斗が思い出したように尋ねた。
「二人は、いったいどういう関係で?」
「ああ、俺たち、まあ兄弟みたいなものさ」
亘と本郷はともに両親がおらず、同じ施設で育ってきたという。
最も亘は養子として引き取られたそうだが、本郷はまだ施設で暮らしているとのことだ。

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