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雪に咲く花

第7章 誤解から生まれた友情

亘の住んでいる小さなマンションにたどり着き、インターホンを押した。
しばらく待ったが音沙汰がない。
もう一度押してみたが留守のようだった。
亘に会いたいという気持ちが強い分、落胆が大きい。
実習生とはいえ色々と忙しいのかも知れない。
帰る気にもなれず、ドアの前に座り込んだ。
30分ほど待ったころだろうか?
聞き覚えのある声と足音を耳にした。
「全く、とんだとばっちりだぜ」
「まあ、誤解はとけたんだしさ。お前のことは信じているから」
亘が、背の高い学生服をきた男子と一緒に目の前にきたのだ。
「あれっ!君、どうしたの?」
「あぁっ!、お前、さっきのやつ」
男子生徒が雪斗の胸ぐらを掴んだ。
「えっ!何?……。あぁっ……!」
トイレでいじめられているところに現れた、本郷という男子だ。
「おいおい、どうした?落ち着けって。それよりお前ら知り合いか?」
「亘兄!こいつだよ。さっき助けてやったのに逃げやがって」
何が何だか訳がわからず雪斗は呆気にとられていた。

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