
kiss & cry
第15章 xA not REC-xmas EVE
それなのに。
偶然なのか、潤の作戦だったのか
悪巧みとも思える引き合わせによって
まんまと二宮くんと再会してしまった。
『二宮くんのせいで』って枕詞を隠して
彼らに訴えた悩み相談に、
潤が悪い顔したのがわかった。
酔っ払った(フリした)潤が部屋の雰囲気を
おかしな方向に持ってったのは
テッペンを回るか回らないかって頃で。
普段そんな時間に訳わかんなくなるくらい
酔うことなんてないはずなのに。
俺を挑発するかのように
嫌がる二宮くんの肌に、潤が舌を、手を這わせる度、
あがる甘い吐息に胸がドキドキした。
どさくさに紛れて繋いだ手の先にある綺麗な横顔
しっとりと汗ばんだ肌、半開きの口唇。
潤への嫉妬心よりも、
二宮くんに対する庇護欲というか
一度封印した『愛しい』という気持ちが
フツフツと湧いてきてしまった。
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・・・・・・RRR・RRR・・・
A「んんん…?・・・ぅあっ!!!」
昨日までのことを思い返しているうちに
ついうっかりうたた寝していたらしく
電話の音で目を覚ました。
と同時にソファーから落ちた。
A「いってぇ・・・、だれ?」
スマホのディスプレイには、
昨日の悪夢を思い出させる名前・・・
ふぅ、とひと息ついて電話に指を滑らせる。
A「…もしもし、」
J「おいコラへたれ。」
あまりにも唐突で一瞬言葉の意味が理解できなかった。
A「へ・・・?」
J「お前昨日なんもしないでニノ帰したろ。」
A「いや、まぁ・・・」
J「なんでなんもしなかったんだよ!
最高においしいアシストしただろうが!」
A「は・・・はぁあ?!おま、!
怪しいとは思ってたけどやっぱお前の仕業かよ!」
だから二宮くんあんな苦しそうに・・・!
