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kiss & cry

第15章 xA not REC-xmas EVE



それなのに。



偶然なのか、潤の作戦だったのか

悪巧みとも思える引き合わせによって

まんまと二宮くんと再会してしまった。




『二宮くんのせいで』って枕詞を隠して

彼らに訴えた悩み相談に、

潤が悪い顔したのがわかった。



酔っ払った(フリした)潤が部屋の雰囲気を

おかしな方向に持ってったのは

テッペンを回るか回らないかって頃で。



普段そんな時間に訳わかんなくなるくらい

酔うことなんてないはずなのに。

俺を挑発するかのように

嫌がる二宮くんの肌に、潤が舌を、手を這わせる度、

あがる甘い吐息に胸がドキドキした。



どさくさに紛れて繋いだ手の先にある綺麗な横顔

しっとりと汗ばんだ肌、半開きの口唇。




潤への嫉妬心よりも、

二宮くんに対する庇護欲というか

一度封印した『愛しい』という気持ちが

フツフツと湧いてきてしまった。







----***








・・・・・・RRR・RRR・・・






A「んんん…?・・・ぅあっ!!!」




昨日までのことを思い返しているうちに

ついうっかりうたた寝していたらしく

電話の音で目を覚ました。



と同時にソファーから落ちた。




A「いってぇ・・・、だれ?」



スマホのディスプレイには、

昨日の悪夢を思い出させる名前・・・




ふぅ、とひと息ついて電話に指を滑らせる。



A「…もしもし、」



J「おいコラへたれ。」




あまりにも唐突で一瞬言葉の意味が理解できなかった。




A「へ・・・?」



J「お前昨日なんもしないでニノ帰したろ。」



A「いや、まぁ・・・」



J「なんでなんもしなかったんだよ!
最高においしいアシストしただろうが!」



A「は・・・はぁあ?!おま、!
怪しいとは思ってたけどやっぱお前の仕業かよ!」



だから二宮くんあんな苦しそうに・・・!


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