
kiss & cry
第15章 xA not REC-xmas EVE
N side
N「っくしゅん!!」
くしゃみした鼻をこすりながら、
トボトボと雪道を歩く。
昨晩から降り出した雪は
今朝になっても残り、
いわゆるホワイトクリスマスとなった。
N「さみーだけじゃねーか・・・ 。」
この歳になると
雪なんて嬉しくもなんともないし、
むしろ寒いし滑るしで厄介なやつ。
N「よりによってイブにオフって・・・」
独り身の俺に嫌がらせかよ。
それなら一歩も外に出ないで、一日中
オンラインゲームでも、ってつもりだったけど
あいにくティッシュがきれてた。
なきゃないで、と考えた俺が甘かった。
『あ、ティッシュない』って場面は家にいると
なかなか多いもので、
しゃーねーなー、と重い腰を上げた。
N「はぁあああ、やっと…あったけー… 」
近くのドラッグストアなのに、
登山でもしてきたのかと思うくらいの達成感。
お目当てのティッシュの他に、
籠城に必要となる酒やつまみも手に取り
レジに並んでいると、トントン、と
後ろから肩を叩かれた。
ん?
振り返ると、そこにいたのはいつぞや
お世話になったイケてるお兄さん。
N「あ。」
「こんにちは。お久しぶりです。」
